【FILMS】730前日の名護市内の風景

1978年7月30日に行われた沖縄県の道路交通法改正。戦後はアメリカにならって自動車は右側通行であったものを、この時に日本にあわせて左側通行へと変更された。たった一晩で沖縄中の道路を右から左に変更する大事業だった。それにあわせて見慣れた右側通行の映像を多くの人々が最後の日である7月29日に撮影している。

No. 0273-00
タイトル:730前日の名護市内の風景
撮影者:屋冨祖正弘(Masahiro Yafuso)

撮影メディア : 8mm Film/Color
本編時間: 9m53s
撮影時期 : 1978年7月29日
主なロケ地 : 名護市街 (沖縄県名護市)
スキャン方式 : Aerial Image
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主なロケ地表示(Google Map表示)
名護十字路ヒンプンガジュマル

 

この映像は名護市内に住む撮影者が、自らの町の730前日の風景を撮影したものである。一見すると道路が右側通行になっていること以外、何の変哲もない地方都市の風景だ。そこに住んでいる人以外には、あまりピンと来ない単調な映像に見えるかもしれません。

▲名護市街の中心部車はすべて右側通行。

 

しかし、2017年に名護市立中央図書館で上映したさいには、場内がどよめくような反応が得られた。ローカルな8ミリ映像のおもしろいところである。風景の移り変わりを見てきた地元の人々からは、8ミリの映像は、右側通行と言うこと以上に、今はもう見れない風景(主に建築物)だらけの懐かしい映像で盛り上がった。

最初に映し出されるのは、名護市街の交差点の映像。それが途中から車に乗って市街を走り回る主観移動の映像に変わる。観客は今観えている風景に感動しながら、やがて見えてくる道の向こうの風景の話題をコソコソと話し合っていた。あの角の向こうに良く見知った、あの風景がある。というご当地ならではのワクワクであろう。

▲道の向こうから近づいてきたのはヒンプンガジュマル。

撮影者はすでに故人だが、おそらく30年、40年後に、名護の人々とこうやって映像を観ながら昔話をしたかったのではないか?

(文:真喜屋力)

▲730の看板。
▲こちらは手書きです。
▲歩道橋には横断幕。そこら中で周知活動が行われています。

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