730の記録。膨大にとり溜めた730関連映像から7月30日の前後を編集し、タイトルもちゃんと付けて作品化した一本。ラストのカットは社会派。
No. 0960-00
タイトル:730 その1、その前後
撮影者:外間宏三(Kouzou Hokama)撮影メディア : 8mm Film/Color/18fps
本編時間: 33m30s
撮影時期 : 1978年
主なロケ地 : 泊高橋、国際通り、安里のバス停 (沖縄県)
スキャン: Frame by Frame
唐突に映し出される730の対策本部。よく見ると時間がインポーズされていてテレビの画面を撮影したものということがわかる。画面は国道58号線とアナログ時計のアップ。新しい道路交通法施行開始を迎える6時を越えた所でタイトル。この場面はのちにリプライズするという懲りよう。
続いて港が映し出される。船からは全国各地から730のために送り込まれた警察の応援部隊。各県の名前の印刷されたパトカーや白バイ隊。撮影者は大学教授ですが、いったいなんでこんな現場に立ち会っているのか不明。
この警察が到着したの場所は泊港北岸と安謝新港埠頭の接したあたり。建設中の泊大橋の橋脚が映るのでよくわかる。ちなみに泊大橋が開通するのは1986年で、730の8年後です。
続いて舞台は自動車教習所のコース。走行中のパトカーが左側を走っていることから、沖縄の警察官が730に向けた特訓をしている所のようだ。場所は西町にあった沖縄自動車練習所実習地ではないだろうか。沖縄県の免許センターは現在は糸満市にあるが、その前はこの場所だった。Google Mapを見ると、コースは今も残っているもよう。
教習所の映像から、白バイが町に出て行くカット。そして再びテレビのニュース画面が映し出される。酷い土砂降りの様子がわかります。
つづいて画面が一変すると国際通りのパレードの映像。730の周知イベントと思われるが、天気が良いので、時系列的に日時が不明。
その後、新しいバスの洗車シーン。それから泊小学校の校庭で行われた交通安全指導の様子など小ネタが次々と映し出される。趣味を越えた取材力を感じさせます。
そして730がスタート。標識などを切り替える作業員、そして新しい道路交通法(左側通行)の施工開始の朝6時の映像と、ドキュメンタリータッチの映像がしばし続きます。
一見順調に見えた新道路交通法の施工。しかし30分30秒あたりで交通事故の映像。事故の詳細はわかりませんが、やはり不慣れな新ルールのせいなのでしょうか?
その後、自宅の車のヘッドライトにはられたテープを剥がす映像。これは右側通行用から左側通行用の前照灯に切り替えた車が、730までの間、対向車に光を当てないようにはられた物。左側通行に切り替わったので、取り外している所です。
車のハンドルの中央に「左」という文字が見えます。常に左側通行を意識させるために貼ったのでしょう。運転手もナーバスな感じです。
さいごに道路沿いの商店街が映し出されます。これは又吉通りの安里三差路周辺。ここはバス停の前で商店が建ち並んでいました。しかし730以降、バス亭が向こう側に行ってしまったので、売り上げのガタ落ちが懸念された場所の一つです。
この商店がどうなったかはラストカットで映し出されます。
撮影者は別のフィルムで、この商店街の衰退を記録しているので、よろしければそちらもご覧ください。
(文:真喜屋力)
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