撮影者は戦後の沖縄で電気工事を行った技師。仕事の合間に撮影した電気工事の様子を記録している。
No. 0042-00
タイトル:69KV送電線 基礎工事/上間変電所視察
撮影者:遠藤保雄(Yasuo Endo)撮影メディア : 8mm Film/Color
本編時間: 7m35s
撮影時期 : 1961年
主なロケ地 : 上間変電所 (沖縄県那覇市上間)
スキャン: Frame by Frame
戦後、米軍統治の時代に、あっという間に敷設された沖縄県の送電ラインは、那覇市を横切る幹線道路の軍道一号線(現 国道58号線)に沿って引かれていた。当時の映像は、同じ撮影者の記録した「泉崎から上之屋(1号線)」と「米軍のヘリからの空撮」で見ることができる。
しかし、そのルートのままでは、那覇市の開発において、大きな障壁となることが予想され、迂回工事をすることになったと言う。
1961年に那覇市の端にある上間に、変電所が造られたのも、そういう計画の中でのことだと言う。
上間変電所は現在でも稼働していて、以下の地図の場所です。
最初に映し出されるパンショットは、おそらく南風原町を背中に撮影した変電所の敷地だろう。ブルトーザーが整地をしていて、この時はまだ何も作られていない状態。
ブルトーザーの映像から右にカメラをパンすると、緩い大きなカーブの道路が映し出される。現在の環状2号線出はないかと思われる。道路の右側にみえる丘は真和志高校のある高台だろうか?
撮影当時は、建物はほとんどない状態で、現代の風景とは大きく違っている。おそらく丘の形も、宅地造成によってかなり変形しているのではないだろうか。
動画の中盤からは、変電所の機器が映し出されている。冒頭の整地作業のころから、ある程度時間が経って撮影されたものだろう。
これらのの機器も、現在のものとは形がかわっているようだ。おそらくに回に分けて、工事開始時期と、完成間近の視察をあわせたフィルムのようだ。
派手さは少ない映像ながら、現在と大きく変化した風景の記録として、しみじみと興味が湧く映像です。
(文:真喜屋力)
▲組み上げられたやぐらを見上げる関係者。
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