【FILMS】小型映画友の会 沖縄大撮影会

沖縄芸能、名所古蹟、そして小型映画文化とも言うべき8ミリ映画の世界などなど、いろいろな要素が詰まった映像です。掘り起こせば、このフィルムで朝まで語れるというくらいの見ごたえのある記録。

N0. 0521-00
撮影者 : 大城隆盛 (Ryusei Oshiro)
タイトル:小型映画友の会 沖縄大撮影会

本編時間: 22m28s
主なロケ地 : 中城城跡 (沖縄県豊見城,糸満市,中城村,恩納村)
撮影時期 : 1970年7月
撮影メディア : 8mm Film
スキャン方式 : Frame by Frame

 

このフィルムは「小型映画友の会」というアマチュアの8ミリ映画の愛好家が参加する全国組織が、復帰直前の沖縄へツアーでやって来たときの記録映画。「小型映画」というのは8ミリ映画の別名で、その名を冠した月刊誌(現在の月刊ビデオSALON)もあったほど、一つのサブカルとして成立するものでした。

 

▲小型映画友の会の、那覇会館(料亭那覇)での記念写真(提供:大城隆盛)

 

参加者の顔ぶれを見ると、いわゆる映画青年ではなく、それなりに仕事を持っている年配の人が、効果な趣味としてやっている雰囲気が伝わってきます。もっとも復帰前に沖縄にツアーを組んでやってくるだけの財力があるわけですから、当然といえば当然ですが。

▲中城城跡での撮影会の様子。

問題の「大撮影会」の内容は豪華なものでした。スチールカメラの世界では撮影会と言うのがよくあります。モデルさんを雇って、スタジオや風光明媚なロケ地でアマチュアカメラマンたちが撮影をする会です。このツアーも基本的には同じ仕組みですが、なにしろ動く映像ですから、モデルは全て琉球舞踊の踊り手。しかも音楽は生演奏という、そこだけでも贅沢な仕様。すごいのは出演者。

まず注目すべきは解説者として登場しているのが仲井真元皆(なかいまげんかい)。この方は琉球芸能家、沖縄芸能連盟会長、ROK方言ニュース二代目キャスター、那覇にあった中央劇場(芝居小屋兼映画館)の小屋主など多くの肩書きを持つ沖縄屈指の文化人であり、当然ながら財界、政界にも繋がりのある人物。昨今では沖縄県知事を勤めた仲井眞弘多の父親と言うほうが伝わりやすいかも知れませんが。

▲解説をする仲井眞元楷氏(右)

そんな大御所が出向くぐらいだから踊り手、地謡ともに本格的な人々が出ていると思われます。

踊り手の方は諸説出ていてまとまらなかったのですが、地謡のメンバーに関しては、以下の人々であろうとわかっています。

大浜長栄(笛)、多和田スミ(琴)、西江喜春(三線)、照喜名朝一(三線)、玉城正治(太鼓)。そうそうたるメンバーです。

▲中城で生演奏をする地謡のみなさん。

また後半で「谷茶前」を踊るお二人は宮里敏子(男踊)、喜名初子(女踊)という証言がありました。

▲谷茶の浜で「谷茶前」を踊る宮里としこ(左)、喜名初子(右)

 

そして沖縄本島を縦断する勢いのロケ地は以下の通り。詳細はぜひ動画でご覧ください。

  1. 海軍壕(モデルらしき洋装の女性が映っている)
  2. 名城ビーチ(確証はないが浜の特徴から)
  3. ひめゆりの塔(舞踊なし)
  4. 中村家(中城村)
  5. 中城城跡
  6. 万座毛(舞踊無し)
  7. 名護の七曲がり
  8. 機織り場の見学
  9. 谷茶前
▲海軍壕のロケでは洋装のモデルさんらしき人も映っている。

 

▲中城城跡 二の郭での「四つ竹」の舞いは圧巻。

クライマックスとも言えるのは中城城跡の二の郭で、石垣をバックに踊られる「四つ竹」。豪華な史劇を観るような美しさです。

上のロケ地リストで、特にわかりづらいところとしては「ひめゆりの塔」でのロケがあります。これを指摘してくれたのは友人の當間早志(NPO法人 シネマラボ突貫小僧)で、背後に見える灯籠の一部が、ひめゆりの塔のそれであるこを、とある沖縄ロケ作品との照合で特定してくれました。詳細はまた上映会などでお話しできればと思いますが、驚くべき洞察力です。

 

▲この1カットだけがひめゆりの塔ロケらしい。右上の灯籠の形と模様が決め手となった。

 

(文:真喜屋力)

 

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