ORPHAN WORKS 00
孤児作品をよろしく

孤児作品の調査をはじめたいと思います

8ミリの収集を始めて三年以上が経過した。集ったフィルムは1695本。デジタル化するのに膨大な時間がかかるので嬉しい悲鳴なのですが、この中で”孤児作品(Orphan Works)”と呼ばれる著作権者不明のフィルムが539本と3割を超える勢い(2020年11月現在)になってしまい、ちょっとばかり途方に暮れている。これはネットオークション経由でフィルムを持ち込んでくれる熱心な方がいるおかげなのですが、正直途方に暮れることもあります。

孤児作品とは

著作権者が不明、あるいは連絡を取れずに利活用の許諾が取れないような作品のことを、孤児作品と言います。許諾がなければ作品の複製(デジタル化も含む)は原則できません。著作権者の死後70年たてば著作権は消滅ですが、所在不明な人々の生死についての情報があるわけもなく、もちろん存命の場合もあるので、手も足も出ません。とはいえ著作権者を探すためにもデジタル化は避けられませんし、フィルムの劣化も考慮すると、公開の是非に関わらず、早めのデジタル化は必要だと考えます。

孤児の親さがし

著作権も切れるまで待てば良いと思う人もいるでしょうが、街の記憶が薄れる前に、できることなら撮影者本人、あるいはご家族が元気なうちに見て悦んでもらいたいし、いろんなお話を聞きたいと言うのが私たちの正直な気持ちです。また著作権者でなくとも、ご当地の人々で、映像を懐かしんでくれる人は大勢いるであろうことは、我々の上映活動から実感されることでもあります。そういう観客の語る思い出話を記録することも、地域の文化にとって重要なのです。

里親と言う可能性も

著作権者が見つからない場合でも、例えばロケ地に縁のある地元アーカイブや、街興しのNPO、マスコミ、個人の研究者など、責任を持ってフィルムの権利者探しをしてくれる協力者が現れれば、情報や映像を共有していくことも可能だと思います(誰でもいいということでもないですが)。

今できることは…

そんなわけで手始めはこのブログやSNSを使って、フィルムリストや静止画像、文字情報の開示していこうと思います。

主な目的は以下の3つです

  1. 著作権者(撮影者)を捜し利活用の許諾をいただく。
  2. 撮影された内容(人物、場所、事柄、etc.)の調査。
  3. 調査協力者、寄贈先を募る。(アーカイブ、街興しNPO、行政、マスコミ、研究者など個人、etc.)

関連する情報はもちろん、興味の湧いた方は当ブログのコメント欄やFacebook、Twitterなどから御連絡いただければと思います。

沖縄アーカイブ研究所
真喜屋力

孤児作品情報ページ

  1. 新潟から来たシネスコ8mm

 

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