知られざる世界。沖縄の戦後史と言えば、アメリカ世で苦労した人々の物語が語られてきました。とは言え、今風に言えばバブリーな生活も閉校して存在していたのだ。というユニークな映像です。
No. 0033-04
タイトル:ジャン・クロード・ビトン氏のコアフェル・コンシューマ
撮影者:遠藤保雄(Yasuo Endo)撮影メディア : 8mm Film/Color
本編時間: 6m41s
撮影時期 : 1973年
主なロケ地 : IOC (沖縄県北中城村喜舎場)
スキャン方式 : Aerial Image
外国からいわゆるカリスマ的美容師を招聘し、最先端モードを沖縄に紹介する画期的なイベント。ヴィトン氏については詳細な情報が見つかりませんが、やはりそれなりに名のある方だと思われます。
スクリーン脇に用意された窓のようなものセットの鏡だと思われますが、その装飾の感じからも、どこかハイソーシャルですが、上に掲げられた手垣の横断幕とのギャップが時代を表現しております。
映像を観ていると、数名のカットモデルの方が舞台に上がり、ヘアカットの実演を行うという流れのようです。もちろん髪形だけではなく、洋服もおしゃれ。おそらく客層は、美容師だったり、デパートなどの美容相談員の人々ではないでしょうか。
客席はテーブルが用意されていて、コース料理でも出てきそうな雰囲気。入場料もそれなりに取れる感じ…とか思ってしまう自分自身の貧乏性に気がつかされます。
なんにしても、僕らが意外と見過ごしてきた、沖縄のハイソサエティーな世界の存在は、沖縄戦後の重層的な社会のありようを考えさせるきっかけになるのではないだろうか、個人的には思っています。これもまた高価な娯楽であった8ミリ映画というメディアだからこそ残っていた記録なのかも知れません。
(文:真喜屋力)
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