【FILMS】那覇まつりのパレード

1971年の那覇大綱挽の映像。撮影者は那覇高校の教師で、校舎前を通るパレードの様子を記録したものです。

No. 1533-00
タイトル:那覇まつりのパレード
撮影者:新島義龍(Yoshitatsu Niijima)

撮影メディア : 8mm Film/Color
本編時間: 3m27s
撮影時期 : 1971年10月
主なロケ地 : 消防署通り (沖縄県那覇市松尾)
スキャン方式 : Frame by Frame
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主なロケ地表示(Google Map表示)
与儀公園消防署通り

 

フィルムには年代などの情報が示されていなくて困ったのですが、ヒントは映像内にありました。映像の1分30秒あたりに映る映画館のポスターです。このようなポスターはかつては街中にちょこちょこ見かけたものですが、これも時代の風俗なのかも知れません。

桜坂オリオン(左)は「告白」、コスタ=ガブラス監督、イブ・モンタン主演のフランス映画で1971年日本初公開作品。グランドオリオン(右)の上映作品は「大洋のかなたに」で、こちらはトム・グリース監督、チャールトン・ヘストン主演で、1970年作品。当時はハリウッド映画はアメリカ公開の一年後と言うのは普通でした。

▲1分30秒あたり(拡大)に映る映画館のポスターから撮影時期がわかる。

 

映像の冒頭部分は、与儀公園での演舞からスタートします。

続いての撮影ポイントは那覇高校前の交叉点。撮影は校舎の階上からで、学校の塀越しに交叉点が見えます。

左手前に続く道が、消防署通りで国際通りに続く道。右奥が裁判所通りです。それと交差する(バスが通っている)道を右に行くと開南のバス停に向かいます。

▲右奥に続く坂が裁判所通り。左手前が消防署通りで国際通りに繋がる。正面中央は「レストランかどや」。

上の場面はいろいろと情報量の多いカットですが、右上に続く裁判所通りは、現在拡幅工事がなされて、立ち退きになった家もあると思うのですが、下の画像のようにカットされて残っている家もありました。

前々から、この建物がカットされていることに気が付いていたのですが、今回このフィルムによって、元の形を知ることができました。家を残した想いや、技術的なことなど、いろいろ聞いて見たいことが涌いてきます。

▲裁判所通りのカットされた家の現在(右)と、1971年当時の姿。

 

また動画のこの場面で、中央に位置するのは「レストランかどや」です。下の画像は別のフィルムに映っていた「かどや」の1963年の姿です。当時は「レストラン」ではなく、「食堂」だったことがわかります。

 

▲1963年のフィルムに映った「かどや」(クリックで動画ページへ移動)

交叉点方面だけでなく、消防署通り側(すでに消防署はなくなったが)の風景にもカメラは向けられています。遠くに沖縄三越が見えています。この通りも、現在は歩道が設けられ、拡幅工事などもなされているので、ずいぶんと建物は入れ替わっていますが、1971年当時はまだまだ瓦屋根やトタン屋根も多く残っていたことがわかります。

本来、那覇大綱挽の旗頭パレードの風景を写した映像ですが、風景的に非常にユニークな映像と言えるでしょう。

(文:真喜屋力)

 

▲那覇高校から見た、消防署通り。奥に沖縄三越が見える(その左側は山形屋か)。

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