【FILMS】教区創立25周年記念式典

沖縄におけるキリスト教の布教活動は、もちろん戦前からもありました。しかし、”アメリカ世”とも言われる戦後の米国の統治下においては、より大きく、そして広く影響を与えてきました。この8ミリ映像に記録された華々しい祝典の様子を見ると、大きなニュースではないが、異なる文化が混ざり合う沖縄の戦後史の一端をまざまざと意識させられます。

No. 0166-00
タイトル:教区創立25周年記念式典
撮影者:富盛貞夫(Sadao Tomimori)

撮影メディア : 8mm Film/Color
本編時間: 2m53s
撮影時期 : 1972年ごろ
主なロケ地 : キングスクール (沖縄県宜野湾市真栄原)
スキャン方式 : Frame by Frame

 

本フィルムについて

「教区25周年」に関連するフィルムは4本あり、室内の場面のある映像では「祝 教区創立25周年記念式典」という横断幕がありますが、本フィルムは屋外のパレードのみの映像です。場所は宜野湾市のキングスクールと言われています。

 

教区ってなに?

教区キリスト教の教区は、「一定地域にある教会をまとめた教会行政上の単位である」と、ウィキペディアには書かれています。

» 教区 | ウィキペディア

撮影時期に関してはあいまいですが、この祝典はカトリックのイベントと聞いていますので、取材することは可能でしょう。また「教区25周年」ということを念頭に、カトリック中央協議会のサイトを見てみると以下のような記載が参考になりそうです。

 1947年1月13日、琉球列島(トカラ列島、奄美群島、沖縄、宮古、八重山群島)は鹿児島使徒座知牧区より離れ、教皇庁直轄の琉球列島使徒座管理区として一時的にグアム使徒座代理区に委託された。
» カトリック那覇教区(沖縄県) | カトリック中央協議会

「教皇庁直轄の琉球列島使徒座管理区として…」というこのタイミングが、沖縄での教区創立の時期ではないかと思われます。だとしたら撮影されたのは25年後の1972年ということになりますが、詳細は今後の取材、もしくは読者からの情報提供も募集しつつ、調査していきたいと思います。

沖縄は先祖崇拝やアミニズム的なプリミティブな信仰が根っ子にあり、今も大切にされています。しかし、アメリカの統治下で復興していく歴史の中で、こういった西洋の信仰が、庶民文化のレベルにも大きな影響を与えてきたことが、この映像などで強く実感できます。

こういった宗教との関わりから沖縄の戦後史を眺めてみるのも、興味深いものを感じました。

(文:真喜屋力)

 

 

 

 

 

 

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