1950年にオープンした中城城跡の遊園地は貴重ですが、これは宜野湾から中城に行く道程が映されているのがおもしろい映像です。
No. 0424-06
タイトル:中城城跡公園にドライブ
撮影者:遠藤保雄(Yasuo Endo)撮影メディア : 8mm Film/Color
本編時間: 2m35s
撮影時期 : 1957年
主なロケ地 : 中城城跡 (沖縄県中城村)
スキャン方式 : Frame by Frame
タクシーで中城城後へ
冒頭、女性三人と幼子がタクシーを探している。場所は撮影者が当時住んでいた宜野湾市の大山辺りではないかと思われる。政府道1号線(現 国道58号線)沿い。道路から向こう側が少し低くなっているのが大山らしい。コカコーラの看板が掲げられた商店らしき建物も見える。
「グランドパレス」と普天間交差点
大山から次に普天間三差路より、やや伊佐交差点方向よりにあった映画館「グランドパレス」の脇を通過して、コザの方向へ向かっている。建物や道路などは変わっているが、雰囲気は今も変わらないのは広大な米軍基地の形状があまり変化がないからだろう。グランドパレスより少し進むと、警察官が交通整理をしている交差点が映るが、位置関係から見て、普天間の三差路であろう。
» 『沖縄映画興行伝説』 沖縄中部にあった映画館 PAGE:4(’54〜’59)
CALTEX
続いて映し出されるのはガソリンスタンドのCALTEX。これはおそらくリージョンクラブの斜向かいで、現在はローソンになっている場所ではないか。中城城跡に向かう定番のコース。
中城城跡のレンタル馬
中城城跡に向かう細い道で、駆け抜ける馬とすれ違う。馬車などゆっくりと歩く馬は70年代にも見かけたが、走っている姿は珍しい。基地の中の馬なのかとも思ったが、当時、中城城の回りでは観光用のレンタル馬があっという証言を聞いている。城内だけではなく、屋外でも借りたり、乗ったりできたと言うので、そういう馬かも知れない。
沖縄の通貨と物価
やがて中城城跡公園の料金所が映る。これは当時の写真資料などでも見ることができる小屋だが、建っている位置がちょこちょこ変わっているように思える。もしかしたら基礎工事などしていないもので、移動が可能だったのであろうか。
注目は料金の表示。大人が10円。子供が5円と書かれている。戦後から復帰にかけて、沖縄の通貨は米国ドルだというイメージだが、1958年9月までは、B円という米国の軍票が使われていた。ということは撮影時期は1958年9月より前。
» 27年で5回も通貨が変わった沖縄 つくられた基地依存経済、第3次産業の拡大 復帰前の沖縄と通貨変更を振り返る | 琉球新報
中城城後の城壁が映し出された跡に、観覧車などが映し出される。すでに遊園地ができあがっているころだ。これより古い映像だと、馬場があったりする。おそらく1955年に民営化された以降の映像と思われる。具体的に観覧車などが作られた年も調査してたいですね。
この場所はどこか?
最後に赤瓦が大量に積まれた場所にやって来る。女性たちの衣装を見る限り、同じ日の映像と思われます。最初は赤瓦の工場の映像だと思っていましたが、もしかしたら建築中の建物の資材が積んであるのかも知れないと、最近思い始めています。下にパノラマ化した映像を貼り付けてありますが、この建築物がどこか、わかる方がいたら情報提供をいただきたいと思います。。
(文:真喜屋力)
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