非常に珍しい1950年代後半の空中撮影。この時代に沖縄の空からの映像があると言うのは驚きですが、カラー映像と言うのも貴重。最初に映るのは、那覇市の上之屋の辺りから、現在の”おもろもまち”上空までのヘリコプターからの映像。米軍の住宅施設が広がります。家と家の間隔が、一号線を挟んで立ち並ぶ沖縄の人々の住宅と見比べると、興味深いものがあります。
No. 0004-02
タイトル:米軍のヘリからの空撮
撮影者:遠藤保雄(Yasuo Endo)撮影メディア : 8mm Film/Color
本編時間: 4m36s
撮影時期 : 1957年
主なロケ地 : 那覇市から北谷町までの上空 (沖縄県那覇市以北)
スキャン方式 : Aerial Image
撮影をしたのは米軍関係の仕事をしていた遠藤さん。高圧送電線の技師として働いていました。映像は空から政府道一号線(現 国道58号線)沿いに高圧送電線の経路を見ていると言う場面です。ただし8ミリカメラは個人のもので、仕事のついでに撮影したプライベート映像と言うことになります。
安謝橋周辺
おもろまちの外れに映る川の辺りが安謝の交差点です。現在は立体交差になり、コジマ電機などがある交差点です。
浦添市城間
沖縄県浦添市の城間交差点。ここは後にアメリカ総領事館が作られ、その後はピザハウスがあった場所です。道の形が独特的で、現在もその痕跡は残っています。そこからカメラを上に振り上げると、牧港方面が映し出されます。
浦添市 牧港と沖縄電力
現在の沖縄電力の発電施設が映ります。上に見える海は、現在ではかなり埋め立てられています。
発電所の脇にに平べったい甲板の特徴的な船が浮かんでいるのが映ります。撮影者によると、これは米軍の発電船だと言うことです。発電所が完成するまでは、船に積み込まれた発電機が利用されていたようです。これも撮影者の情報ですが、当時五隻の発電船が沖縄にあったと言うことです。
宜野湾市大山 大山小学校付近
カットが切り替わって、下の方にチラリと映るグラウンドは大山小学校。その上の方に延びている住宅街が、宜野湾市大山付近。右上に一号線が伸びています。
宜野湾市伊佐交差点付近
横に走るのが一号線。上からの道路は普天間からおりてくる道路です。左上は米軍基地のはずですが、まだ工事中で建築物は見えません。
北谷町北前の外人住宅街
伊佐交差点の先に見えている住宅街(上記写真)は、北前にある外人住宅街です。現在も同じ建物が残っていますね。ちなみに手前の浅瀬は埋め立てられていて、フィルムに映っている堤防に沿うように、現在は川が流れています。
» Google Map(北前)
Facebooからの指摘
映像の最後の辺り(以下の画像)に、北谷の陸軍病院が映り混んでいるのがわかりました。陸軍病院は1955年着工で1958年5月に落成です。ビルの形がほぼでき上がっているところからしても、1958年の撮影ということかも知れません。
(文:真喜屋力)
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