
1962年は、琉球政府創立10周年の年でした。今回は、その記念式典の映像です。
No. 2345-06
タイトル:琉球政府創立10周年式典
撮影者:今村昌耕(Syoukou Imamura)撮影メディア : 8mm Film/Color/16fps
本編時間: 1m56s
撮影時期 : 1962年4月1日
主なロケ地 : 琉球政府ビル (沖縄県那覇市泉崎)
スキャン: Frame by Frame
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琉球政府は1952年4月1日に発足した行政組織。1972年に沖縄が日本に復帰するまで続きました。
表向きは占領下の沖縄の人々が、沖縄の人々による民主主義を実践する組織のはずですが、実際はその首長である行政主席は米国政府の指名で、琉球政府の決定事項も、米国民政府が破棄できる権限を持っていました。とはいえ10年間なんとか米国政府を相手にがんばってきた、その式典の記録です。

式典の様子
式典内容は新聞でも大きく取り上げられている。
午前九時半からはじめられた高校、米国陸海空軍バンドの華やかな演奏の中で、琉球政府太田主席、長嶺立法院議長、仲松上訴裁首席判事、来島中のレムニツァー米統合参謀本部議長、キャラウェイ高等弁務官、アンドリック民生官らが正面式壇に着席、ほかに軍官民約一千人が出席した。午前十時グ楽隊が”米国国家”を吹奏。つづいて瀬長首席が開式の辞を述べた。同時に行政府階上からつるされた”紙吹雪”のつつみが割れ、出席者の頭上に降りかかった。
沖縄タイムス 1962年4月1日
新聞には池田首相と、ケネディ大統領からの祝辞も掲載されている。



式典を取り巻くデモ隊
そして式典を取り囲むようにデモ隊の活動も活発だった。
新聞によるとデモ隊は掲げる旗に喪章をつけて、葬送デモを繰り広げたと書かれている。映像は色落ちがしていてわかりにくいのだが、旗竿の先に細長い紐上の物がなびいているので、それが喪章なのではないだろうか。
また映像には映っていないが、この日は琉球政府創立10周年記念切手の発売もあったようだが、デモ隊によってその発売もできなくなるなどの混乱もあったようだ。
(文:真喜屋力)


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