旧暦の7月16日だから旧盆ウークイの翌日に、沖縄市諸見里で行われる旗スガシー。
No. 0006-02
タイトル:諸見里の旗スガシー
撮影者:宮島真光(Masamitsu Miyajima)撮影メディア : 8mm Film/Color/18fps
本編時間: 12m5s
撮影時期 : ?
主なロケ地 : 諸見里 (沖縄県沖縄市諸見里)
スキャン: Aerial Image
旗スガシーについては、沖縄市の公式サイトにいかのような説明があります。
諸見里の旗スガシーは、毎年旧暦の7月16日に自治会長ほか有志などによって五穀豊穣、集落の繁栄と無病息災を祈願し、道ジュネーを行う行事です。旗頭を先頭に集落内を練り歩き、最後に自治会の広場でエイサーや獅子舞などが披露されます。戦前から引き継がれている諸見里の伝統行事です。
道ジュネーとはいわゆる「練り歩き」のことです。諸見里の旗頭、獅子舞い、エイサーと三線隊、そして女性の踊りが、地域をパレードして、最後は公民館などの広場で舞い踊ります。諸見里の旗スガシーでは、最後に辿り着くのは現在の諸見里自治会事務所です。
冒頭、国道330号線を横断する様子が映ります。
住宅街の狭い路地に入ると、エイサー隊の活躍を中心に見物客や、三線隊の姿が活写されています。
祭りの会場に出向いて行くような場合だと、集落の人々はギャラリーとして映るだけですが、道ジュネーの映像では、ギャラリーの人々の生活感まで感じられます。
また興味深いのは、電柱に貼られた選挙ポスター。瀬長亀次郎、上原康助らの顔を見ることができ、時代の空気みたいなものも思い起こされます。
地謡を担当する三線隊の人々は、一応は白いYシャツで統一しているようにも見えますが、帽子やサングラスなど、雰囲気は個性的。それが逆にかっこよく見えてきます。
旗スガシーの先頭に立てられた旗頭。そこにたなびく旗も注目です。那覇など多くの旗頭の旗には、たいてい文字だけが書かれていますが、諸見里の旗には赤い縁取りの中に寅の親子が描かれています。
この旗の歴史は古く、その由来については安政年間(1854~1860年)に、当時の越来間切諸見里村の地頭が製作したものと伝えられています。当時の古い旗は、沖縄市立郷土博物館へ1990年に寄贈されています。
映像に映っている旗は新たに作り直された物で、この映像は旗頭を新調した年に撮影されたものではないかと言われています。
最後に踊りを披露するのは前述の通り諸見里自治会の建物前。この建物は今もあまり変わっていません。ちなみにGoogleストリートビューで見ると、建物にうっすらと「諸見会館」と書かれていたのがわかります。
(文:真喜屋力)
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