【FILMS】津嘉山の大綱引き

1972年の津嘉山大綱引き二日目の記録映像。とてもきれいなフィルムです。

No. 1633-04
タイトル:津嘉山の大綱引き
撮影者:山里景吉(Keikichi Yamazato)

撮影メディア : 8mm Film/Color/18fps
本編時間: 7m43s
撮影時期 : 1972年7月29日
主なロケ地 : 南風原町津嘉山 (沖縄県南風原町津嘉山)
スキャン: Frame by Frame

 

南風原町津嘉山地区の大綱引きの映像です。津嘉山の大綱引きは、7年に一度という話がありますが、戦後は10年に一度くらいのペースになっているようです。

基本は「ウガンツナ」と言って、通常サイズの綱引きは毎年やるようで、大綱を引く時は役員の人事の入れ替えから、旗頭や衣装小道具など作り直すなどあらゆることが刷新されます。それは儀式や旗頭の制作など技術を継承するためです。なので大綱引きができずに「ウガンツナ」だけをやっていることは、祭はおろか、地域の伝承までも寂れていく危険が伴うのです。

さて、本映像は1972年の津嘉山大綱引きが撮影されています。残念ながらこれは祭りの二日目の映像。そういえば東西に別れて芸能合戦をしているものの綱を引くところは撮影されていない。この日は芸能の勝負と言う感じなのでしょうか?

とはいえ、撮影のうまさ、フィルムの状態、そしてなにより祭りの熱気が楽しめるフィルムであります。

▲集落を見渡したパンショット(クリックで拡大)。

冒頭は自宅から祭りの会場に向かう家族。手書き風の小旗を持って今菅、これは手作りなのでしょうか?待ち切れずに家から飛び出す子供がかわいらしいです。

▲小旗を持って祭り見物へ。

その後は集落内での演舞が行われている様子が映し出されます。おそらくこれは集落の中で出発前の景気付けを行っている所でしょう。東と西がそれぞれの地域の御嶽や、ノンルンチ(ノロの家)で行われるようです。

▲出発前のガーエーか?東西それぞれのチームが、集落内でのパフォーマンス。

会場になる広場では単管パイプで組まれた臨時の観客席。これから行われる芸能を観ようと集まっています。嬉しいことに手前の横断幕にイベントの日付が書かれています。その横断幕にはスポンサーとして「屋良電化ストア」の名前も出ています。屋良電化ストアは町の電気屋が量販店に駆逐される現代においてもがんばっている那覇市三原の電気屋さんです。津嘉山のご出身なのでしょうか?

▲観客席。屋良電化ストアの広告が目を引く。

 

仕度(したく)の神輿も引き手たちが棒で高だかと持ち上げて入場。こういった派手な場面も含めて、さまざまな演舞が楽しめる記録映像になっています。

▲入場してくる仕度がかっこよい。

 

▲元気な子供たちの姿も楽しい。

 

大綱引きの準備の様子なども含め、下の動画にまとめられています。5分ほどなのでこちらを見てから、本8ミリ映画を観ると、いろいろ深い所がわかって楽しめます。

(文:真喜屋力)

 

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