【FILMS】RYCOMのクォンセット・ハット

「ライカム」をネットで検索すると、イオンのショッピングモールのことがずらりと出てくる昨今。しかし、もともとはRyukyu Command headquartersの略でRYCOM。琉球米軍司令部の略称でした。RYCOMのオフィスで働いていた時の映像です。

No. 0002-03
タイトル:RYCOMのクォンセット・ハット
撮影者:遠藤保雄(Yasuo Endo)

撮影メディア : 8mm Film/Color
本編時間: 50s
撮影時期 : 1951年
主なロケ地 : 事務所(ライカム) (沖縄県北中城村)
スキャン方式 : Aerial Image

 

映像は当時、撮影者である遠藤さんが働いていたRYCOMのオフィス街(?)を、仕事仲間であるアメリカ人たちと歩いているところです。

▲背後のカマボコ型の建物がクォンセット・ハット。

もともと電気技師として宮城県の米軍基地で働いていた撮影者の遠藤さんは、沖縄で働かないかと誘われて1951年より来沖。以後、戦後の沖縄の電力インフラの整備に関わってきました。これはその時の日常を収めた映像。

映し出されるカマボコ型の建築群は、クォンセット・ハット (Quonset hut ) と呼ばれる、トタンによるプレハブ工法の建物です。”コンセット”と発音する人もいますが、一般的な日本語表記は「クォンセット」。第二次大戦で大量に作られ、戦後は民間にも払い下げられました。沖縄にもまだ少し残っているようです。

» クォンセット・ハット | ウィキペディア

下の写真は、遠藤さん自身が撮影して貼り合わせたパノラマです。場所は現在のプラザハウスの国道を挟んで向かい側の辺りです。その辺りから西側にRYCOMの施設やハウジングエリアが展開していました。

▲コンセットが立ち並ぶ風景(撮影:遠藤保雄)

遠藤さんの仕事は電気関係です。しかも、いわゆる大電力。高圧送電線網を計画するなど、沖縄の戦後復興をインフラで支える重要な仕事で、このフィルムとは別に、多くの工事記録の8ミリも、すでにお預かりしています。公開をお楽しみに。

(文:真喜屋力)

 

▲同僚の外国人技師と、クォンセット・ハット。

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