撮影者不明、1956年の愛楽園の映像。短いフィルムで外から撮影されただけの不思議な後味が残る。
No. 0841-06
タイトル:愛楽園撮影メディア : 8mm Film/Color/16fps
本編時間: 49s
撮影時期 : 1956年秋
主なロケ地 : 愛楽園 (沖縄県名護市)
スキャン: Frame by Frame
本フィルムは撮影者不明。主に海外旅行の映像の一群の中にあった沖縄旅行の映像の最後に写されたもの。
名護近辺と思われる道路の映像から一転して、塀の向こうに何棟かの建物が並ぶ施設の前にやってくる。箱書きにあったように名護市にあるハンセン病患者の隔離施設として造られた国立療養所愛楽園の映像だとわかる。
ハンセン病は伝染性の低い病気であるにも関わらず、不当に忌み嫌われ差別的に扱われてきた歴史がある。患者は隔離施設に送り込まれ、生涯を施設で暮らすことを余儀なくされていた。
撮影者がこの施設を知っていて見に来たのか、偶然通りかかったのかなどの詳細は不明だが、わざわざのぞき見るように望遠レンズで撮影しているところからすると、ある程度の知識がある上での弥次馬的な視点で撮影されたものだと思うと、時代的な感覚はあると思いながらも悲しい気分になる。
ハンセン病患者は戦前に作られた法律で隔離されたこともあるが、1929年に各県が競ってハンセン病患者を見つけだし、強制的に入所させるという「無らい県運動」などの集団による差別的な事例があったことを忘れてはいけないだろう。無知は罪だなと思う。
(文:真喜屋力)
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