今回のフィルム群の中でももっとも刺激的な映像と思われる日独伊三国同盟を祝う祝賀パレードの映像。
No. 1702-01
タイトル:大政翼賛会 三国結盟
撮影者:井須荘二(Souji Isu)
提供者:外間政一郎(Seiichiro Hokama)
撮影メディア : 8mm Film/B&W/16fps
本編時間: 1m10s
撮影時期 : 1940年
主なロケ地 : 札幌 (北海道札幌市)
スキャン: Frame by Frame
札幌市庁舎に掲げられる日独伊の国旗。今となっては悪名高いナチスの鉤十字が誇らしげにはためく映像には少なからず衝撃を受けます。もちろんこの時代はナチスは政権政党ですから当たり前のことなんですが。
ちなみに沖縄にも鉤十字がはためく戦前の映像はあります。
1940年9月27日にベルリンで調印された日本、ドイツ、イタリアの軍事同盟によって、拡大する世界大戦の敵と味方がハッキリと線引きれることになります。
大日本帝国の国民からすれば、日本はアジアを狙う欧米列強と対峙し孤軍奮闘する真っ最中。中国を支援するアメリカも気になるなかで、第一次大戦の敗戦国からヨーロッパの覇者を目指す勢いのドイツと同盟を結ぶことは、なんとも心強いものがあった様に思えます。推測しかできませんが、やはり人々がどのような気持ちで、パレードに参加したのか、映像を観てもらいながら思いを巡らしたり、当事者のお話を聞いてみたいと思います。
時代のムードが色濃く映った映像ですが、おそらくこのようなパレードは日本全国で行われていたのでしょう。ひょっとしたら各地域に眠る市井の人々のフィルムの中にも、まだま記録され、誰かが発見するのを待っているのかも知れません。
(文:真喜屋力)
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