【FILMS】沖縄730映像記録

1978年の7月29日から30日にかけて撮影された、いわゆる「730」の記録。多くの8ミリを提供してくれた遠藤保雄さんの映像は、他の730映像とは一味違います。

No. 1133-01
タイトル:沖縄730映像記録
撮影者:遠藤保雄(Yasuo Endo)

撮影メディア : 8mm Film/Color
本編時間: 10m39s
撮影時期 : 1978年7月
主なロケ地 : 国際通り,国道58号線,天久開放地,浦添市,730,ナナサンマル (沖縄県)
スキャン方式 : Frame by Frame

 

電気技師として1951年に沖縄にやって来た遠藤さんは、730でも電気関係の仕事をされていたことが、冒頭の書類でわかります。カレンダーなども撮影し、きちんと日付がわかるように記録するのもさすがです。

▲なにやら図面や書類が、730に関する電気工事の書類のようです。

 

つづいて現在のパレット前の交差点にかかっていた歩道橋より国際通りなどを撮影しますが、なにげに映る国道58号線側の風景も懐かしいものがあります。

▲現在のパレット久茂地の方向。文教図書などが懐かしい。

 

つづいて730直前の国道58号線を自動車で走る映像。これは奇しくも20年前に遠藤さんが撮影した、米軍のヘリコプターから空撮した映像の冒頭部分と同じ場所になります

» 米軍ヘリからの空撮 | 沖縄アーカイブ研究所

道路の左側は大きなビルが目立ちます。道路の右側は、かつて優雅な米軍人のための住宅街が広がっていました。いわゆるマチナトハウジングエリアで、1975年に一部返還。全面返還がなされたのは1987年で、現在は「おもろまち」と名を変えています。

道路沿いにはホテルエッカ、沖縄東急ホテルなど、今は無くなったランドマークも映っています。

▲国道沿いのホテルエッカ(左)と東急ホテル(右)。道路の右側はすでに開放地となっている。

 

右側通行最後のドライブは、そのまま浦添市に向かいます。途中ガソリンスタンドの「カルテックス CALTEX」や、電線から釣られた縦型の交通信号など、アメリカ世の香りがまだまだ残っているのがわかります。

この縦型の信号は730で消えたんでしょうか?

▲カルテックスの看板(浦添市)

 

▲電線から釣られた縦型信号機。これはライカム交差点など米軍基地の見られた。

 

ドライブを終えて、会社の屋上(国場ビル)に陣取った遠藤さんはその周りをぐるりと撮影。なかなか観られないアングルで、日本銀行沖縄支店、琉球銀行、沖縄銀行、第一勧銀(現 みずほ銀行)のビルが写しだされ、久茂地地域が政治経済の中心地であることがよくわかります。沖縄銀行の向かいは現在のパレット久茂地として再開発されています。

 

▲国場ビルから見た那覇市。左に沖縄銀行本店、右に琉球銀行本店が見える。(クリックで拡大)

 

夜になるとセレモニーのような場面が映るのも、電気技師として長年大規模な事業に関わってきた遠藤さんの映像らしいところです。このセレモニーは警察署あたりでしょうか。

 

セレモニーの後、遠藤さんの車は国道58号線を北向け、泉崎交差点の手前の路肩で待機している場面が映ります。通常730を歩行者視点で記録する人は多いですが、車上から左側通行変更の瞬間を撮影するところがユニークな映像です。ちなみに車線は既に左側通行の位置ですね。

ちなみに「730」というと泊高橋交差点の映像が多いのですが、泉崎から久茂地交差点に移動するのも、ユニークなロケーションと言えます。

(文:真喜屋力)

 

▲国道58号線 泉崎交差点手前で北向け。

 

 

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