【FILMS】特高(66KV) 架線、結線工事

現在は無くなってしまいましたが、かつて漫湖を横断する形で奥武山公園-壺川間に建てられた鉄塔の建築風景です。現在は無くなっていますが、見覚えのある方もいるかも知れません。

N0. 0136-00〜0138-00、0140-00〜0144-00
撮影者 : 遠藤保雄 (Yasuo Endo)
タイトル:特高(66KV)架線・結線

本編時間: 27m7s
主なロケ地 : 奥武山公園 (沖縄県那覇市)
撮影メディア : 8mm Film
スキャン方式 : Frame by Frame

タイトルにある「特高」とは「特別高圧」のことで

電気設備基準の中の送電電圧の規格の一つで、7000ボルトを超えるものをいいます。略して特高とよばれる場合があります。送電時に主に使われるのは下記の設備で送電されます。(電柱)22kV,33kV /(鉄塔)66kV,77kV110kV,154kV,220kV,500kV電気

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映像内のクレジットには工事のクレジットや工程も紹介されています。

沖縄電力株式会社発注
13.8KV 壺川・拓南線取替工事

元請;住友電気工事株式会社
下請:株式会社国場組電設部 鏡水事業所(但し、鉄塔と架空線工事)

美化鉄塔製作:中国安治川鉄鋼株式会社

昭和51(1976)年3月
3月10日〜11日 鉄塔組立て
3月20日〜21日 延線工事
3月27日〜28日 停電を伴う作業

このクレジットにある「美化鉄塔」とは、いわゆる櫓を組んだような鉄塔ではなく、スッキリとしたデザインの鋼鉄の柱のような物を言うようです。ネットで調べるといろんな画像や、ブログが見つかり、鉄塔マニアの存在を強く意識してしまいました。

本映像はそんな美化鉄塔の組立から延線工事の流れを記録したものです。じっくり観るのも良いですが、ぼぉ〜っと眺めるのも楽しい、そんな映像です。

 

鉄塔の組立て

冒頭は鉄塔の最下部を、先に作られた基礎部分のボルトに突き刺して固定するところですが、ものすごい数の太いボルトにピタリと合わせる職人技に感動します。あたり前と言えばそうですが、素人目には驚きです。

 

▲ものすごい数のボルトに突き刺すところ。

 

鉄塔はいくつかのパーツに分かれていて、順次それを積み上げていきますが、これも積み木のように載せるだけではなく、下のパーツにスポッ!と被せる要領で繋いでいく。でっかいプラモデルのような、大胆さと緻密さのコントラストが楽しめます。

 

▲被せるようにパーツを繋いでいく。

 

懐かしい風景

工事の工程も楽しいですが、ところどころに映る1970年代の奥武山の川岸の風景は、若い人には驚きかも知れません。雑草が生え、サバニが係留されていて、現在の整備された親水公園とは趣の違う風景が見えます。対岸には漁港らしきものも見えますが、ひょっとしたらベニヤ工場かもしれません。また奥武山と言えば、ベニヤの材料であるラワンの貯木場でもあり、その風景も垣間見えます。

さらにパイプラインの橋が架かっていたのですが、それがちょうどこの鉄塔の脇辺りで、工事関係者が歩いている様子も映っています。

また下の画像には、作っている鉄塔と同じ形の完成品が見えています。「あ〜こんなのあったね」と思い出す人もいるのではないでしょうか。

 

▲サバニが係留される川岸。対岸にも美化鉄塔が見える。

 

▲対岸に積まれているのは、ベニヤ板の原料、ラワンの丸太。

 

▲奥武山にあったパイプラインの橋も映っています。

 

アクロバティック延線

映像の広範は、主に対岸の壺川付近で撮影されているようです。まわりの風景もちらちら楽しめますが、映像の中心は高所で行われる延線作業。

命綱をつけているとは言え、なかなかにアクロバティックな作業を繰り広げる(しかも雨天)は、ドキドキハラハラな要素もあって、職人技を堪能できます。

(文:真喜屋力)

▲アクロバティックな名人芸。

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