【FILMS】石造の獅子 模造製作の型取り

玉陵(たまうどぅん)関連の8ミリ映像

  1. 石造の獅子 模造製作の型取り
  2. 石造りの獅子 設置風景
  3. 玉陵 竣工式
  4. 玉陵 尚家歴代の墓陵 パケット車

このほど国宝に指定された琉球王の墓、玉陵(たまうどぅん)。その上に鎮座する二体のの獅子像は、戦時中に玉陵が破壊された時に地面に転げ落ち破損してしまった。後に博物館に納められていたが、玉陵の復元に伴い、元の位置に戻されることになる。この映像は、獅子像を戻す前にそのレプリカを作成するため、型取りを行った時の映像です。撮影者の遠藤さんは、琉球王朝の末裔、尚裕(しょうひろし)さんの友人だった。

No. 0112-01
タイトル:石造の獅子 模造製作の型取り
撮影者:遠藤保雄(Yasuo Endo)

撮影メディア : 8mm Film/Color
本編時間: 15m23s
撮影時期 : 1977年8月28日、29日
主なロケ地 : 旧 沖縄県立博物館 (沖縄県那覇市大中町)
スキャン方式 : Aerial Image
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主なロケ地表示(Google Map表示)
沖縄県立博物館

 

まず、玉陵に関してはwikiペディアなどをご参照いただくと言うことで、本稿では映像を中心に、簡単な解説を行います。簡単な解説というのは、この映像がアマチュアカメラマンの映像ですが、後世の記録として図解なども入れ、丁寧に撮影がなされているからです。

» 玉陵 wikiペディア

沖縄県立博物館

作業場所は沖縄県立博物館。フィルムは龍潭の辺に建つ博物館の外観を映し出す。博物館は移転しているので、このカットもまた、貴重な歴史の記録になる。

▲首里時代の沖縄県立博物館の外観。

作業の工程

▲型取りの断面の模式図

分かりやすく観るために、作業内容を説明しておく。まず、この作業はレプリカを作るための型取り作業。本物の石獅子の表面に、柔らかいシリコンラバーを塗って型を作る。このままでは柔らかいので、型くずれしないように、ガラス繊維(グラスファイバー)に石膏をしみ込ませたものを塗り、さらに石膏の層で固めていく。最後に型を分割して、シリコンラバーを取り出す。ここまでが映像に映っている作業。その後、型は京都の工房に持っていき、樹脂などを流し込んで正確なレプリカを作ることになる。

作業映像について

作業の冒頭で、スチール撮影をしている半袖のワイシャツを着た男性が映る。この男性は尚家の当主、尚裕(しょうひろし)さん。先祖の墓所である玉陵の復元に奔走した当人。このレプリカ作りは、玉陵復元に際して、本物を墓所の元の位置に戻すために行われた作業だ。

▲左端のカメラを首からさげた男性が尚裕さん。

実際に型取りを行ったのは京都科学標本株式会社のスタッフで、前田匠、田村 隆、堀口正文の三人であることが手書きのクレジットにて表記されている。

▲石獅子の型取り作業を行った京都科学標本(株)のスタッフ。

実際の工程は、どうぞ動画でご確認ください。

(文;真喜屋力)

2 Comments

  1. こちらで製作された型は博物館に保管されてはいないのでしょうか。
    今開催中の「手わざー琉球王国の文化」で玉陵の獅子を模造復元したものが展示されていますが、製作の前過程で、シリコン型取りを行っているようですが、
    こちらで映っている型を参考にした上で、現状の型どりを行ったのか、それとも型はもう無かったのか、気になりました。

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