【FILMS】那覇大綱挽き リウボウ前

那覇市の大綱挽きのパレードの映像。主にリウボウ前の県庁北口交差点付近の小禄の旗頭をメインに撮影している。リウボウの屋上遊園地の映像もわずかに映っている。

No. 0605-00
タイトル:那覇大綱挽き リウボウ前
撮影者:大城隆盛(Ryusei Oshiro)

撮影メディア : 8mm Film/Color
本編時間: 3m20s
撮影時期 : 1971年10月10似
主なロケ地 : パレット前,久茂地交差点 (沖縄県那覇市久茂地)
スキャン方式 : Frame by Frame

 

時代の特定に関して

動画公開後に、ずけらんしんさんより以下の指摘がありました。

「リウボウの6階部分(タワー)ができたのが、1971年10月。沖縄銀行の垂れ幕に十五周年と読める文字があって、これも1971年(1956+15)。1971年であっていそう。他の垂れ幕が読めると確信を持てるんだけど」

指摘のあった沖縄銀行の垂れ幕は下の写真になります。

▲沖縄銀行本店の懸垂幕のアップ「〜五周年記念』と読める。

残念ながらスキャンの画角が狭くて”十”の文字は見えませんが、沖縄銀行の創立は1956年7月と公式サイトにあるので、1971年であれば十五周年記念と切れの良い数字になります。

» 沖縄銀行公式サイト:沖縄銀行とは

またリウボウに関しては、以下の二つのサイトをごらんください。

» Dee Okinawa 「沖縄で唯一の百貨店、リウボウの歴史を振り返る」

» 沖縄の昔の写真を探して(リウボウ編) | ず@沖縄

他のフィルムとの比較

実は本フィルムm (ID No.0605-00)は、すでに公開済みのフィルム(ID No.0625-00)と同じ撮影者お物でした。連続したリールである可能性もあるため、あらためて二つの似たような風景のカットを比べてみました。

▲左が本映像。右が1971年と特定できた映像。(クリックで拡大します)

» 沖縄アーカイブ研究所:FILMS「那覇大綱挽き 1971」

上のフィルムは沖縄タイムス本社ビルの脇から久茂地交差点を撮影したカットですが、左側のビルの工事の進捗具合が同じというのがわかります。少なくとも一年以上の差はない。ということで、本フィルム(No.0605-00)も1971年撮影であり、二つのリールは同年に撮られた連続した映像と言うことがわかりました。

リウボウ前の交差点

ロケ地は国際通りの端。現在のパレットビル前のスクランブル交差点。勇壮な小禄の旗頭の背後にはデパートリウボウが見えるが、現在この場所にはホテルが建っていて、正面の旅行社のビルも、現在はお土産やとA&Wなどが入っています。さらにリウボウはちょうどカメラの後ろにあるパレットビルに移転しています。

リウボウの屋上遊園地を走る電車の姿が見えます。当時はデパートの屋上に遊園地は付き物でした。これまでも沖繩県内のデパートの屋上遊園地は、沖縄三越、沖縄山形屋などの映像が見つかっています。

しかし、残念ながらリウボウの遊園地だけは、この様な遠巻きの映像しか見つかっていません。今後の収集を期待したいところです。

▲移転前のリウボウ。屋上の遊園地の様子がかすかに見える。

下の写真の右側に映っているのが旧沖縄銀行本店のビル。現在だと銀行の向こう側にモノレールが走っているのだが、このころはすっきりとした風景になっている。

▲動画より1970年代初頭の沖縄銀行前(左)と2018年(右)。(クリックで拡大)

御成橋の公衆トイレ

久茂地側にかかる御成橋の欄干が見える箇所もありました。おもしろいのはその背後の川沿いに公衆便所が映っています。こういう忘れていた建築物を見つけるのも、8ミリ映画のおもしろさです。

場所は、これもずけらんさんの指摘により、現在のゆいレール県庁前駅の階段の辺りだと言うことが特定できました。那覇市歴史博物館のサイトで見られる、1960年代の御成橋の画像にもこのトイレは映っていました。

» 那覇市歴史博物館「久茂地側と御成橋」(1960年代)

▲御成橋の上より。公衆トイレが映りこんでいる。

久茂地交差点、つづきは

後半は綱挽きのメイン会場でもある久茂地交差点付近に移動してくる。ものすごい人だかりで、ビルの屋上、看板の上にまで観客が集まっているのは圧巻。
ただし残念ながら、人が多すぎたのか、綱挽きその物は観ることができません。しかし、続きは下記のリンク先のフィルムで見ることができます。

» 沖縄アーカイブ研究所:FILMS「那覇大綱挽き 1971」

(文:真喜屋力)

▲綱挽き会場の遠藤は看板の上まで観客で埋まる。

 

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