図書館ツアー上映ということで、沖縄県の三カ所の図書館で、御当地の8ミリ映画を上映する企画。地方巡業ということで、御当地にあった映像をピックアップして上映します。
11月15日(水)開催の名護市立中央図書館での上映は以下の作品を中心にプログラムしております。
名護はオリオン写真館を経営していた屋冨祖正弘さんの本拠地で、数多くの8ミリ映像が寄贈されています。
ピトゥ漁(イルカ漁)の追加映像発見!
昭和35~38年に撮影とフィルムケースに記載。
かつて名護湾で行われていたイルカの追い込み漁の様子が記録され、『いるかの大陸 赤い海』というタイトルでまとめられた。今年になって別のフィルムも発見され、新たにデジタル化されました。『いるかの大陸~』は主に浜辺に追い込まれたイルカと、それを捕らえる人々の映像が中心ですが、新たなフィルムには、海上でのイルカの追い込みの様子が描かれている。海岸近くの海上に待機する手漕ぎの船(突撃部隊)の映像。沖からイルカを追い込んでくる大型の漁船。二つのフィルムが、補完的にイルカの追い込み漁の全体の流れを記録している。
7月30日前日の名護市
1976年7月30日。通商”730(ななさんまる)”は、沖縄の交通ルールが、アメリカ式の右側通行から、日本式の左側通行に切り替えられた日。映画はその前日、最後の右側通行を記録するため、自動車で名護の町を走り回るだけの映像。
しかし、そこには1976年の町並みが、淡々と記録されている。名護以外の人々にはわかりづらいが、名護に暮らす人々には、いろいろな記憶とともに楽しめる作品であり、名護の人が盛り上がるのを観ているだけで楽しめる作品です。
塩屋湾のウンガミ
屋冨祖正弘さんは名護で写真館を営みながら、沖縄各地の芸能やイベントを写真と8ミリカメラで記録してきた。塩屋湾のウンガミは何度か足を運んでいたようである。1970年初頭と思われる映像には、現在のウンガミに比べて、多くの神人が映っている。また柱の周りを「エンコイ、エンコイ」と唱えながら回る儀式では、近年では弓を持ったアシビガミ数名だけだが、太鼓を叩きながら回る女性や、団扇で風を送る係の人々が映っているのも興味深い。
名護湾の海神祭
海神祭(ウンジャミまたはウンガミ)の最後に行われるハーリーレースの記録。レースの様子もさながら、埋立てされる前の海岸に集まって、熱狂的な応援を行う人々の姿が楽しい。観客の顔も鮮明に映っているので、上映会などでかつての自分や、家族の姿と出会えるかも知れません。
城(ぐすく)の七福神
「七福神」という祭りについては、名護以外の地域の人にはあまり知られていないのではないでしょうか?
ネットを調べると昭和8年に辺野古で振り付けられた踊りと書かれているが、詳細は不明。七福神のコスチュームがけっこう様になっていることから、この祭りが地域の人々にとって、重要なイベントであることが感じられる。内容は七福神それぞれの踊りの後、袴姿の区長が出てきて、七福神から道具を預かり、一人ずつ連れて帰る…という内容のようです。上映会場でいろいろ聞いてみたいと思う映像です。
名護以外の風景も
フィルムのメインテーマではないが、移動中の車窓から捕られた名護、および山原の風景もかき集めて上映します。名護の七曲がり、茅打ちバンタ、怪獣岩、そして現役の山原船の動画もあります。これなどは、名護の観客の皆さんとともに、どこの港の映像なのか突き止めたいと思います。
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