沖縄県名護市の城(ぐすく)で、クングヮチクニチ(旧暦9月9日)に行われる奉納祭という村踊りの中の演目の一つ「七福神」の映像です。
No. 0288-00
タイトル:城区の七福神(奉納祭)
撮影者:屋冨祖正弘(Masahiro Yafuso)撮影メディア : 8mm Film/Color
本編時間: 16m43s
主なロケ地 : 城区 (沖縄県名護市城城)
スキャン方式 : Frame by Frame
城の奉納祭については、「名護市史本編8」〔2012年5月15日発刊)に詳細な内容が書かれていましたので、それを参考に書きます。
市史によれば、開催日は旧暦の9月9日。戦前は名護城(ナングスク)のアサギ庭で催されていました。戦時中は中断した時期もありますが、戦後は部落の広場から海岸にかけて、仮設の舞台を設置し上演され、1955年からは公民館で上映されるようになりました。
この公民館は琉球新報ホールを参考に造られており、広い舞台があったといいます。1994年に新築された公民館に移りますが、映像に映っているのは、その球新報ホールに似せた方の公民館ということになります。
奉納祭の演目は多く、「かぎやで風」「上り口説」「浜千鳥」「鷲の鳥」などの舞踊や、「久志の若按司」のような組踊りも行われる、盛りだくさんの芸能ショーという感じです。
「七福神」という演目はそういう音楽と舞踊があるわけではなく、様々な琉球音楽にのって七福神が登場し、それぞれが福を授けていく様子を舞台化したもの。なんとなくスタンダードナンバーを使って作られた、創作ミュージカルのような楽しげなノリを感じます。
内容は、宝船に乗って七福神が登場。「めでたい節」にのって全員が船を降りる。続いてソロパートへ。
福禄寿「カタミ節」
寿老人「江佐節」
布袋「ミルク節」
弁財天「ごえん節」
大黒「屋慶名クハデサ節」
恵比寿「千鳥節」
毘沙門天「亀甲節」
合間に紹介のナレーションが入り、幕入りの曲「安波節」、ナレーションが入り、村の総代「中作田節」、総代が七福神から福を授かり、終幕を迎えます。
総代と言うのは、もともとは奉行の役割ですが、現在は城区の区長が務めているようです。踊っている方も、現地の方が見れば、誰かすぐにわかると思います。
また、福を授かるとは、それぞれ神様が持っている道具に象徴されています。例えば恵比寿なら「鯛」、布袋なら「団扇」といった感じです。それを総代が受け取って、神様を迎え入れるという動作が繰り返され、なんともユーモラスで目出度い演目と言えるでしょう。ぜひ一度、現物を見に行ってみたいと思います。
(文:真喜屋力)
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