【FILMS】昭和13年初秋 空沼岳行、樽前岳行

昭和13年(1938年)と書かれた箱に収められたフィルム。北海道の空沼岳と、樽前岳に登山したきろくである。持ち主は不明だが、戦前のフィルムということもあり調査のために公開することに致しました。

N0. 1509-00
タイトル:昭和13年初秋 空沼岳行、樽前岳行

本編時間: 7m55s
主なロケ地 : 空沼岳,樽前岳 (北海道)
撮影時期 : 1938年初秋
撮影メディア : 8mm Film
スキャン方式 : Frame by Frame
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主なロケ地表示(Google Map表示)
空沼岳樽前岳

 

映像のラストに、山岳隊の旗らしきものがはためくのが映ります。この名前と旗のマークに見覚えのある方はおられるでしょうか?関係者が見つかればお届けしたいのですが。

▲山岳チームの旗だろうか?唯一の手がかり。

映像は前半が空沼岳登山、後半が樽前岳の登山風景になります。

» 空沼岳 | ウィキペディア

前半に登場する立て看板には「登山者心得」が書かれていますが、そこには「帝室林野局」とかかれています。これは戦前にあった宮内庁のウィキペディアによると、

帝室林野局(ていしつりんやきょく)は、明治から昭和戦前期にかけて存在していた宮内省の外局である。宮内大臣の管轄下、皇室財産である御料林の管理経営をおこなった。1885年発足の御料局(ごりょうきょく)を前身とする。1908年に帝室林野管理局(ていしつりんやかんりきょく)として設置され、1924年に改称した。第二次世界大戦後の1947年に廃止された。

» 帝室林野局 | ウィキペディア

昭和13年撮影のフィルムということに、リアリティが出てきました。

 

▲「帝室林野局」による「登山者心得」

朗らかに橋を渡って行くメンバー。スカート姿の女性もいます。いったいどういう人々なのでしょうか。

▲登山隊の人々。大学か会社のサークル風に見えます。

 

木々の間を抜け、川の辺で水を飲む場面などは、白黒ならではの陰影に富んだ美しい映像で、絵心のある撮影者のように見えます。

押し相撲の様なレクリエーションをする人々も、表情と躍動感があって興味深く見られます。

 

▲川原で遊ぶメンバー

 

空沼岳の頂上からのパンショットは、今もそれほど変わらないかも知れません。

▲空沼岳の頂上にて

 

後半は樽前岳。これもウィキペディアによると、樽前山(たるまえさん、たるまえざん、たるまいさん、たるまいざん)が正式な名称で、溶岩ドームが特徴的な山です。映像で見てもわかる通り、空前岳とは対称的に、火山らしい荒涼とした風景が見られます。

ウィキペディアには気になることが書かれていました。

活発な噴気活動があるので、一般の登山者は進入禁止となっているが、過去に何度か北海道大学等により調査目的の登山が実施されている。

» 樽前山 | ウィキペディア

「北海道大学等により調査目的の登山が実施」という文言は、見逃せません

こちらの映像でも、かなりの人数が登山をしているのがわかりますが、調査隊なのでしょうか?

その後、一行は船に乗って湖を渡っていきます。支笏湖でしょうか。

なんらかの証言が届くとありがたいところです。

(文:真喜屋力)

追記

この件で以下の情報提供をいただきました。

【40代北大ワンゲル部OB】

興味深い映像ですね。空沼も樽前も登ったことがあります。時代はものすごく前ですが懐かしい感じがします。空沼の山小屋は今は北大山岳部管理ですが、当時建設を希望したのは秩父宮殿下です。この辺皇族の御用林だったこともありスキーツアーなどでいらしていたようです。 

また、別のところにある奥手稲の山小屋は北大ワンダーフォーゲル部が管理しておりますが、昔この小屋は国鉄よりさらに前身の札幌鉄道局が建設し管理していました。山スキーをやる客が鉄道を使うからだったようです。

なので旗に見える「北鉄?」は、もしかしたら北海道の鉄道会社のことではないかな?という気がします。

 

2 Comments

  1. 初めまして、東京在住の笹山と申します。
    とても貴重な映像を拝見させていただきました。ありがとうございます。

    本映像は、井須荘二氏の作品ではありませんか?
    井須氏は前年の秋に空沼を訪れており、作品(『初秋ノ空沼 1937-9』)として残していますからその関連性がまず思い浮かびました。

    03分6秒、山頂のシーンで左端に立っていて帽子を脱ぐ男性が井須荘二氏ご本人に見えます。
    03分26秒で振り返る男性も同様です。
    (彼は撮影するだけでなく、映像の中に自分が映っているシーンを挿入する傾向がありますね)

    04分41秒付近に同行者の男性(06:37の左端の男性の同)が映りますが、彼は『初秋ノ空沼 1937-9』にも出てくる同行者のようにも見えます。

    以上、気が付いた点をお送りさせていただきます。今後もご投稿を楽しみにしております。

    • お返事遅くなりました。本作品は井須さんの他の作品とは別のルートで入手した物なので、現在のところはよくわからないところです。
      もしかしたらと言うこともあるので、息子さんに問い合わせてみたいと思います。

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