【FILMS】琉米親善 コザまつり 1964

コザ市こと現在の沖縄市で1964年に行われた「コザまつり」の映像。コザの超有名人も登場する映像です。

No. 0820-01
タイトル:琉米親善 コザまつり 1964
撮影者:久場良信(Yoshinobu Kuba)

撮影メディア : DVD/Color,B&W
本編時間: 7m33s
撮影時期 : 1964年5月22〜25日
主なロケ地 : センター街、ゴヤ大通りなど (沖縄県沖縄市呉屋)
スキャン方式 : Screen Process

 

現在の沖縄市、当時はコザ市。1969年には「コザ暴動」が起きるなど、米軍の横暴に怒りが渦巻いていた街ですが、だからといって一方的な怒りだけではなく、商売を含め、米国人には愛憎渦巻く場所でもありました。この映像のような琉球と米国の親善イベントは、やっぱり楽しく行われる部分もあったわけです。

冒頭のパンショットはゴヤ十字路から少し南側のビルの上から撮影したもので、カット尻に映る十字路がゴヤ十字路です。映っているのは「コザまつり」のメインイベントである「仮装パレード」。各通り会の対抗イベントで、主な被写体はセンター通り会(センター通りは現在のパークアベニュー通り)です。撮影をしたのは一番街にある中部写真館の久場さん。

仮装パレードは、センター自治会事務所でメイクをする様子から始まります。プロ並に手慣れた感じで次々となりきりメイクをする様子が見られます。

▲センター自治会事務所でのメイク風景。

 

▲センター通り会のメンバー、パレード直前の記念撮影(クリックで拡大)

やや画面が見づらいのは、フィルムからのデジタイズではなく、いったんビデオ撮影した素材をDVDから書きだしたのと、デジタイズのさいに映写機で写した画像を撮影しているため、周辺減光でまわりがくらくなっているため。フィルムが発見できれば、さらにきれいな映像が取りこめるかも知れません。

ともあれ、ところどころにアメリカナイズされたコザの風景が映し出されます。場所の特定をしていければと思いますので、コザの方の情報提供をお待ちしております。

▲これもセンター通りの周辺だろうか?アメリカナイズされた風景。

 

このパレードはけっこう長くて、島袋交差点あたりから、現在の銀天街(本町通り)まで。とにかくコザという街の規模感が伝わってきます。

 

▲本町通りのゲート。現在の銀天街である。

 

肝心のパレードだが、まずはミスコザのお二人がオープンカーで手を振る様子。その後から次々と通り会の出し物が続いていきます。ヒトラーや、ナポレオンなど歴史の有名人が次々と歩いていきますが、その中で有名でない扮装をしている有名人が登場します。

 

中国人の様な扮装で、「迷子 唐やマーガ 大和マーガ(迷子 中国はどこだ、日本はどこだ)」と書かれたプラカードを持った巨漢。この人こそだれあろう照屋林助。高嶺剛監督の「パラダイスビュー」「ウンタマギルー」など、他にも「パイナップルツアーズ」など、様々な沖縄映画に出演しています。テレビCMでも「ポリポリカイン、ポリカイン」と唄って、全国区にもなりました。沖縄の芸能界の大物で、この場では全て書くのは難しいくらい、様々なことをしてきた大物です。ちなみに息子さんはミュージシャンの照屋林賢さん。

▲動画の中の照屋林助。

 

ちなみにこのプラカードの意味は、アメリカの統治下におかれた沖縄の風刺したものです。下にあるのも、やはり久場さんが撮影した写真ですが、実はこちらは以前から有名でしたが、動いている映像が出てきたのは驚きでした。

とにかくいろんな物が映っていて、全部説明するのもたいへんな映像ですので、ぜひ重箱の隅をつつくようにご覧ください。

(文:真喜屋力)


▲ポリカインのCM

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