井須荘二フィルム。戦前の札幌飛行場の映像。飛び立つ機体はフォッカー・スーパー・ユニバーサル。空港開きか、飛行機の就航式のようなものだと思われます。
No. 1667-00
タイトル:飛行機初乗り Fokker Super Universal
撮影者:井須荘二(Souji Isu)
提供者:外間政一郎(Seiichiro Hokama)
撮影メディア : 8mm Film/B&W/16fps
本編時間: 4m1s
撮影時期 : 1937年5月24日
主なロケ地 : 札幌飛行場(初代) (北海道札幌市北区)
スキャン: Frame by Frame
撮影日時と撮影地
フィルムの箱には撮影内容と撮影日のメモ書きがありました。
撮影地は時代的に札幌飛行場と思われます。現在の札幌飛行場は自衛隊駐屯地にある丘珠飛行場のことのようですが、戦前は札幌市北24条西(現在の北区)にあったとされています。。
この飛行場は無くなりましたが、現在でも正門跡が史跡として残されています。
また札幌市平和バーチャル資料館では、札幌飛行場の航空写真を見ることができる。上のパノラマ画像と比較してみると興味深いです。
ウィキペディアには1937年4月に札幌飛行場にできたとありますが、それから一ヶ月後に、このようなセレモニーが開かれたのでしょうか。具体的なイベント名などはわかっていません。
日本航空輸送株式会社
おそらく飛行機の格納庫も兼ねているであろう大きな社屋には「日本航空輸送株式会社」と書かれています。これは1928年から1938年まで存在した会社で、現在の日本航空(JAL)と直接関係があるわけではなさそうです。
▲日本航空輸送株式会社の建物。
飛行機(Fokker Super Unibersal)
さて映像で最も気になるのは就航している飛行機フォッカー・スーパー・ユニバーサル(Fokker Super Universal)。Youtubeなどで検索しても、復元された機体を撮影した近年の映像がほとんどで、戦前当時の現役機体の動画見当たりません。そういう意味でも貴重な映像なのかも知れません。。
その名前の通り、飛行機は米国のF0kker社の飛行機ですが、映っているのは日本の中島飛行機がライセンス生産を行った国産機になります。
(文:真喜屋力)
冒頭の「札幌航空案内所」「札幌新名所 空ノ茶屋」の看板があるのは、札幌グランドホテルだと思われます。建物の北東の角です。
5月の末にしては、いくら北海道とはいえコートを着ている人がいるのは奇妙ですし、飛行場の向こうに見える手稲山の残雪も多すぎるような気がします。人々の服装は、今で言うゴールデンウイークくらいの時期のように見えます。