【FILMS】斎場御嶽 1963

珍しくモノクロの8ミリ映画。それに加えて、荒野をあるく背広の男性と、着物を着た女性。なにやらハードボイルドなムードのある映像です。祭祀というよりも、祈願のために拝所を巡っているという風情の人々。クライマックスは沖縄本島最大の聖地”斎場御願(せいふぁーうたき)”です。

N0. 0378-03
撮影者 : 屋冨祖正弘
本編時間: 3分40秒
主なロケ地 : (沖縄県南城市)
撮影時期 : 1963年ごろ
撮影メディア : 8mm Film
スキャン方式 : スーパーダビング8

撮影時期についてはハッキリとした情報はありません。ただ六つのクリップがつながった一本のリールに収められていて、他のクリップに1963年という日時が映し込まれていたため、おそらく同時期に撮影されたのだと推測されます。

それぞれの拝所がどこなのか、探す楽しさもありますので、調べればいろいろおもしろい映像です。

▲南城市の拝所を回っているように見える。

シンプルに、前半の人々が歩く姿が、なんとも映像としてのインパクトがあり、このためにモノクロフィルムを使ったのではないかとすら思わせます。

風が吹きすさぶ荒れ野で、貫録のある着物姿の女性が煙草をくわえてたたずむ姿など、フィルムノワールのごとき仕上がりです。

▲ハードボイルドタッチ。着物の女性がタバコを吸う姿も様になる。

最後に映る斎場御願も、一番特徴的な場面をすぐに見せず、ジワジワと左へパンをしつつ、巨岩と小さな人間の対比を映し出してからの種明かしをするなど、見せ方を意識した撮影。ちなみに撮影をした屋冨祖正弘さんは、写真館の経営者であり、同時に写真家でもあっただけに、さすがとしか言いようがありません。何度見ても飽きない作品です。

最後の最後におちゃめなカメラワークを見せるところは、ほほ笑ましくもあります。

(文:真喜屋力)

▲斎場御嶽。木々も少なく、それほど鬱蒼とはしてはいない。

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