【FILMS】名護町 海神祭(『観光沖縄』より)

名護町(現 名護市)の海人祭のハーリー競漕。埋め立て前の名護の海岸で行われています。船を漕ぐ人も、応援する側も熱狂的楽しめますが、夕暮れ時の美しい風景も見所と言えるでしょう。

No. 0274-01
タイトル:名護町 海神祭(『観光沖縄』より)
撮影者:屋冨祖正弘(Masahiro Yafuso)

撮影メディア : 8mm Film/Color
本編時間: 4m44s
撮影時期 : 1963年
主なロケ地 : 名護湾 (沖縄県名護市)
スキャン方式 : Aerial Image

 

本編は名護で写真館を経営していた写真家の屋冨祖正弘さんがまとめた「観光沖縄」という作品の冒頭のパートです。この他に「エイサー・コンクール」「与那原の綱曳」「塩屋のウンガミ」の三本があり、すでに動画を公開しています。「観光」というキーワードとは、ちょっとズレている感じもありますが、屋冨祖さんの沖縄古来の伝統的な風景を残そうと言う意思を強く感じます。

 

名護は1970年に名護町、羽地村、久志村、屋部村、屋我地村が合併して、名護市となりました。このフィルムが撮影されたの1963年と見られるので、まだタイトルも「名護町」と書かれています。

▲埋め立て前の海岸と美しい風景。

海洋博の頃から大規模な埋め立てが行われてきましたが、このころは砂浜の海岸が広がっていました。こういうハーリー競漕だけでなく、イルカ漁なども、この砂浜が利用されていました。

タイトルには海神祭とありますが、最近の名護の情報をネットで探ってみると、「名護市長杯ハーリー大会」と、祭祀色の抜けた言い回しに変わっているようです。その辺の信仰との絡みが、現在どのようになっているのかは気になるところです。

海神祭とあるからには、なにかしら祈りの場面もあると思うのですが、映像はハーリー競漕の部分を収録しています。糸満ハーレーほどの規模ではないにしても、地元の人々の熱が伝わってくる映像です。

撮影者の屋冨祖さんは、いつも祭そのものの映像とは別に、人々の顔を意識して撮影している気がします。そんなわけでいくつかの人間ドラマが、フィルムのそこかしこに感じられて、見ごたえを感じる作品だと思います。地域の記録として、非常に楽しめる映像になっています。

(文:真喜屋力)

 

▲カメラが恥ずかしいのか顔を隠して踊る女性。

 

▲盛り上がる応援。

 

▲盛り上げる応援。
▲夕暮れの決戦。決着はいかに?

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