【FILMS】紀元二千六百年奉祝式典

1940年に日本各地で行われた「紀元二千六百年年記念行事」の札幌での様子をとらえた映像。

No. 1704-00
タイトル:紀元二千六百年奉祝式典
撮影者:井須荘二(Souji Isu)
提供者:外間政一郎(Seiichiro Hokama)
撮影メディア : 8mm Film/B&W/16fps
本編時間: 4m25s
撮影時期 : 1940年
主なロケ地 : 札幌
スキャン: Frame by Frame

紀元二千六百年記念行事

ウィキペディアより(パブリックドメイン)

 

 

神武天皇の即位を紀元とし、2600年目を祝う行事が1940年に行われている。

ウィキペディアによると

1940年(昭和15年)には、年初の橿原神宮の初詣ラジオ中継に始まり、紀元節(2月11日、現在の建国記念の日)には全国11万もの神社において大祭が行われ、展覧会、体育大会など様々な記念行事が外地を含む全国各地で催された。

とあるので、この映像は1940年2月11日に撮られたのではないのかと思われます。

Youtube上では各地で開催された「紀元二千六百年行事」のニュース映像を観ることができるので、そちらもあわせ見てみると良いでしょう。

▲「今井」と書かれている。

2カット目に映る建物の入口には「今井」と表札が掲げられています。丸井今井百貨店札幌本店の入口に似ているが、特徴的なアーチ状の飾りが見えないのが気になります。その前に映る尖塔のようなものも、昭和12年に増築された丸井今井百貨店の物に良く似ている。

その後、屋外に作られた特設ステージの前に人が集まり、万歳三唱をしている映像。そこから日の丸の小旗を振りながらのパレードへと進んで行く。楽隊も参加している。この行事に合わせて国民歌「二千六百年」、行進曲「二千六百年」などの楽曲も作られており、パレードでも演奏されたという。

▲楽隊も参加、行進曲「二千六百年」などを演奏したのだろう。

 

パレードの背後の町並みも見どころの一つ。気になったのは壁に十字架の様な飾りのある建物だが教会だろうか?

▲パレードの向こうの町並み。十字架の様な装飾の建物は教会だろうか?。

 

北海道庁旧本庁舎

パレードの最後に訪れるのは北海道庁旧庁舎であろう。1969年に重要文化財に指定され、現在は北海道立文書館として一般に公開されている。

繋がって行くフィルム

その後、映像は夜の提灯の映像と、新聞記事の映像を経て、「祝 門出」という文字のあと、結婚式の写真が映し出される。結婚式のフィルムも別にあるが、もしかしたら結婚式の年が1940年だったのだろうか。

▲「祝 門出」の文字のあとに登場する結婚写真。

さらに「上野動物園 昭和15年5月5日」と言うテロップと、「應召 昭和14. 12月」と書かれた兵隊さんの画像が映し出されて、フィルムは終わります。

「上野動物園」のことはよくわかりませんが、「應召(おうしょう)」とは、呼び出しに応じることで、これは召集令状に答えて出兵することを意味しているのでしょう。

井須荘二氏の撮影した他の二本「神社での結婚式」「現役兵證書」をつなぐ役割を、このフィルムは担っていたのでしょうか。

(文:真喜屋力)

 

3 Comments

  1. 札幌市公文書館所蔵の丸井今井の写真のうち、1951年のものとされている登録番号005781、005783、005798が、『丸井今井百年のあゆみ』203頁で「昭和12年の本店新築落成」というキャプションの付いた写真と同一物です。アーチ状の飾りはありません。
    http://archives.city.sapporo.jp/Culture/photolibrary/photo_all_view.jsp?keyword=%8A%DB%88%E4%8D%A1%88%E4&inputno=&bl=20&TokenVal=1670564926659

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